児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護に関する法律(改正案)」

(児ポ禁法)についての私的意見。

 

 

序文

またまた最初に言っておきましょう。

私はこの改正案に断固反対です。

どうして、政治家ってやつは、

とてもよい主旨を捻じ曲げてしまうのでしょうねぇ。

まったく、呆れ果てます。

この法の名前だけ聞いたら、

反対する人なんて、極悪人じゃないですか。

でも、名前に騙されてはいけません。

この改正案は、本当におかしいんですから。

このページでは、そのおかしさについて語りたいと思います。

 

 

ここからは私の私的意見です。

こちらも、苦情・意見はメールにて。

メール

 

 

*改正案の内容*

 

では、まず、どこが問題なのか、

改正案から抜粋しましょう。

 

この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。

三 性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの

2、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦 から輸出した者も、同項と同様とする。

 

はい、問題は、の部分のところです。

 

さあ、これは、どういうことなんでしょう。

まず、視覚により認識することができる方法により描写したものとあるので、

今現在出回ってるもので、絶対引っかかるものは、

 

 性的刺激を喚起する個所のあるマンガ・雑誌・アニメ・ドラマ
  18禁の美少女・美少年ゲーム
  性的刺激を喚起する箇所のある同人本

性描写のあるBL本(挿絵があったらアウトですね。)

性描写のあるBLコミック

美少女写真集

などですね。まだあるかもしれないですが。


 これらで18歳未満と見える絵・写真・映像が含まれてると確実に引っかかります。

これらを持ってる場合は捨てないといけなくなりますし、

これから販売されなくなります。古本もダメでしょう。

 

しかも、これには、「罰則」があります。

「青環対法」にはありませんが、

これにはあるんです。

単純所持だけで、罰金。

捨てるようにとの指示に従わなかったら禁固です。

 

さて、ここまで読んだ方で、そんなの持ってないからいいや、

と思われた方がいるでしょうか。

これ以外にも当てはまるものがあるんです。

 

ここから大事です。

まず、性欲を興奮させ又は刺激するものという表現。

これは実に都合のいい表現です。

だって、そんなの人それぞれなんだもの。

水着もそうだって人もいれば、

裸でも別に、っていう人もいる。

 

次に、「児童」とは、十八歳に満たない者を指すということ。

私、児童って、小学生までだと思ってました。

小学生でも、高学年になると自分たちは児童だなんて思ってないでしょう。

中・高生はもちろんです。

「児童」だなんて、思ってる高校生が世の中に何人いると思ってるんでしょう?

高校生まで「児童」に入るってことなんですよ?

 

そして、これは、「18歳未満に見える」ものも含まれます。

幼い絵で、この子は18歳ですって主張しても、

18歳以下に見えたらダメなわけです。

逆に、20歳以上の人に見えても、

設定が17歳とかだったら、これまたアウトなわけです。

 

 

*具体例*

では、次に具体例を考えてみましょう。

大抵の人は、どれかにひっかかるはずです。

 

例えば、テレビ

恋愛ドラマや、サスペンスドラマにだって、

18歳未満のそういうシーンなんて、

いくらだってでてきますよね?

パラエティだってそう。

例えば、モーニング娘。

年下組はバリバリ18歳未満ですね?

あの子達が肌も顕な衣装つけてたら、

それもNGになる可能性があるわけです。

現役女子高生アイドルの水着姿なんて、もってのほかです。

そうそう、映画もダメですね。

そういう映画っていっぱいあるじゃないですか。

 

そして、アニメ

まあ、大抵のアニメの主人公は18歳未満です。

視聴者対象がそうですからね。

で、恋愛ものだった場合、(そうじゃなくても)

大抵は水着・下着・裸・キスシーン・ベッドシーンなどがでてくるでしょう。

それもダメになる可能性があるわけです。

 

そして、小説

これは、挿絵があるかないかで大きく違ってきます。

でもまあ、そういうシーンは挿絵になることが多いです。

話の中のイベントですからね。

BL本はほとんどそうですし、

普通の男女の恋愛ものもそうです。

中学生が主役で、キスシーンあり、なんて普通なんですから。

あ、でも、今気付きましたが、文字も、視覚で認識できるものですねぇ。

じゃあ、小説のそういう描写自体、ダメなんでしょうか。

 

そして、ゲーム

まあ、18禁のゲームは、もちろん、NGでしょうが、

それ以外でも、そういうシーンがあるゲームはたくさんありますね?

RPGや、シュミレーションゲームにも、

そういうのがあります。

これまた主人公が18歳未満なものも多数あります。

 

そして、同人関係

これは、まあ、一番狙われるでしょう。

まだまだ理解がないですし。

基本的にそういうシーンが多いですし。

(中心かそうでないかに関わらず)

でも、それを言ったら、もともとパロが多いんで、

絶滅しなきゃいけなくなる気がするんですが・・・。

同人界の景気を知らないようですね。

この法が通ったら、景気はますますガタ落ち、

失業者も増えるでしょう。

 

そして、そして、マンガ

これが、一番、大問題でしょう。

ほとんどの人が関係あるんじゃないかと思います。

「ジャンプ」「サンデー」「マガジン」などの少年誌

「コミック」「プリンセス」「花ゆめ」などの少女誌

これらもすべて引っかかりますね。

これこそ、主人公は小学生から高校生まで、

ばっちり「児童」ですから。

そして、大抵の作品に恋愛が絡んでいます。

恋愛中心じゃなくてもそういう要素は入ってますね?

キスシーンやベッドシーンがあるマンガなんて、

珍しくともなんともありません。

それがいいか、悪いかは別として、

それが事実です。

でも、それらがほとんどダメになる可能性があるわけです。

出版社も、摘発が怖いんで、そういうものは出版しないようになるでしょう。

つまり、今あるメディアの大部分が消え、

これからも出てこないということになるわけです。

職にあぶれる人は沢山出るでしょうねぇ。

 

大体、実際の児童買春やら売春やらを、

完全になくしてもいないくせに、

こんなに手を広げてどうする気なんでしょう?

ますますその広大な法の穴をくぐってそういう犯罪が増えると思うんですが。

少女マンガが、闇でさばかれる日が来るかもしれないですよ?

いま、私を含め、マンガ持ってる皆さん、

それらをほとんど捨てなきゃいけなくなりますねぇ。

アニメビデオを持ってる人も。

多数あるマンガ喫茶なんて、どうする気でしょうか。

どう考えてもバカバカしい法なんですが、

大真面目にこれを主張してる政治家がいる以上、

楽観視はできません。

国民より、政治家のほうがよっぽど力あるんですから。

公僕のくせに!

公僕は公の僕なんだよ!

国民に従うのが義務のくせに。

本当に、「先生」と名のつくものにろくなのがいないっていうのは、

真理ですね。

尊敬できる「先生」なんて、極少数です。

 

さて、これは、一応、18歳未満のことです。

なら、大人のそういうシーンならいいんでしょうか?

ここで問題になるのが、「青環対法」です。

この二つの法が通ると、

それぞれがそれぞれを補い合って、

そういう描写は全てダメということになりかねないのです。

性欲を全て抑え込む気でしょうか。

その抑えつけられた欲望が、

実際の人間に向けられないと誰が言えるでしょうか?

というか、政治家にはそういう欲望がないとでもいいたいんですか?

それは、人間じゃありませんねぇ。

人間、誰しも個人差こそあれもってるはずの欲望なんですから。

本当に、ここまで深く考えてるのか謀りかねますが、

こういう法が通ってしまったら、

これを武器にする人がでるのも必至。

そういう事態になって、パニックになってからじゃなきゃ、

わからないんでしょうか。

私たちに絶対的な拘束力を持つ法だからこそ、

もっとちゃんと考えて欲しいと思います。

これも、今年中に改正(っていうか改悪)されてしまう法です。

どうか、自分には関係ないなんて楽観視せずに、

よく考えてください。

 

 

水弥月 結

 

「青少年有害社会環境対策基本法」についての私的意見。基本編

「青少年有害社会環境対策基本法」についての私的意見。全体編

(児ポ禁法関連リンクもこちら)

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